妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかった場合、赤ちゃんに何かあったときに後悔することがあります。
葉酸は、妊娠初期に赤ちゃんの成長に関わる重要な栄養素です。
葉酸サプリによってすべての病気や流産が防げるわけではありませんが、「葉酸サプリを飲んでいれば防げたかもしれない」と感じてしまうかもしれません。
実際に後悔している人もいます。
もしまだ葉酸サプリを飲んでいない人も、今後後悔しないために、今からでも飲み始めることをおすすめします。
今回は、妊娠初期の葉酸サプリの重要性や、飲まなかった場合の実際の声など、詳しく紹介していきます!
妊娠初期に葉酸サプリを飲むことが推奨されているのはなぜ?
「妊娠初期は葉酸サプリを飲む」ということはよく聞かれますが、これには「赤ちゃんの健康を守るため」というきちんとした理由があります。
詳しくお話していきましょう!
赤ちゃんの先天異常を防ぐ効果があると考えられているから
葉酸を摂取することで、赤ちゃんの先天異常を防ぐ効果があります。
妊娠初期に葉酸が不足すると、赤ちゃんに「神経管閉鎖異常」という先天異常の発症率が高まります。
神経管閉鎖異常とは、赤ちゃんの神経管に異常が起こり、二分脊椎や無脳症、髄膜瘤などを生じることで、日本での発症は二分脊椎がほとんどです。
二分脊椎になると、生後すぐに背中の手術が必要で、歩行障害、排泄障害など、生涯リハビリが必要になることがあります。
葉酸とは、ビタミンB群の一種で、細胞の分裂や成熟に関わる栄養素です。
神経管閉鎖異常は、葉酸不足だけでなく、遺伝など様々な原因で起こるため、葉酸摂取だけで予防できる病気ではありません。
ただし、葉酸を摂取することで、リスクを70~80%下げることができます。
二分脊椎の予防方法として明らかになっているのは、葉酸の摂取のみです。
葉酸サプリメントの摂取は、世界的にすすめられています。
日本では、妊娠前から葉酸サプリが必要だと知らない人が多く、神経管閉鎖異常の発生率は横ばいで経過しています。
一方、海外では、葉酸サプリメント摂取推奨と、食品に葉酸を添加する「葉酸添加政策」などによって葉酸の摂取量が増え、神経管閉鎖異常が減少しているというデータもあります。
引用:葉酸による神経管閉鎖障害の予防:発生率、リスク因子、葉酸サプリメントの摂取、行政への要望https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspnm/57/1/57_8/_pdf
特に葉酸サプリが重要となるのは妊活中~妊娠初期
特に葉酸サプリが重要となるのは妊活中~妊娠初期です。
妊娠初期は、赤ちゃんの脳や脊髄など、重要な器官の形成期と言われていて、特に葉酸の摂取が大切な時期です。
葉酸は、赤ちゃんが発育するために欠かせない重要な栄養素ですが、血中に十分な葉酸の濃度を満たすのに時間がかかります。
また、神経管閉鎖異常は妊娠6週ごろに発症する病気です。
妊娠6週とは、妊娠にようやく気付く頃か、まだ妊娠に気付かない人もいる時期です。
そのため、神経管閉鎖異常の予防として考えると、妊娠に気付いてから葉酸サプリを摂るのでは遅くなってしまいます。
厚生労働省でも、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの葉酸の摂取をすすめています。
食事でなくサプリを摂るのも理由がある
葉酸はサプリメントでなく食事からも摂取できますが、あえて葉酸サプリをすすめているのも、きちんと理由があります。
食事に含まれる葉酸と、サプリメントに含まれる葉酸では少し形態が違います。
同じ量を摂ったとしても、体内で有効に使われる量は、サプリメントの葉酸の方が多く、2倍ほどです。
また、葉酸は水溶性ビタミンのため、調理方法によって栄養素が十分に摂れないことも考えられます。
葉酸が神経管閉鎖異常のリスクを低減するという海外の研究は、葉酸サプリメントによるものがほとんどです。
食事から摂る葉酸にも効果はありますが、まだ科学的根拠が明らかになっていません。
そのため、諸外国や日本でも、現在は食事に加えて、サプリメントから葉酸を摂取することがすすめられています。
どのくらいの葉酸が必要?摂りすぎはよくない?
厚生労働省がすすめている葉酸の推奨摂取量は、以下の通りです。
葉酸の推奨摂取量(食事から) | 葉酸の推奨摂取量(サプリメントから) | |
12歳以上の女性 | 240㎍/日 | |
妊活中~妊娠初期 | 240㎍/日 | +400㎍/日 |
妊娠中・後期 | 480㎍/日 | |
授乳中 | 340㎍/日 |
引用:日本人の食事摂取基準2020(20~40代女性https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
食事のみで葉酸を摂取した場合、過剰摂取による健康被害は報告されていません。
そのため、食事による葉酸の摂取量の上限は設定されていません。
ただし、悪性貧血という病気をもった患者が、多量の葉酸サプリの摂取で症状が悪化したなどの報告があります。
この悪性貧血とは、妊娠中によく起こる鉄欠乏性貧血とは全く別の病気のため、ほとんどの人は心配することはありません。
ただ、どんな栄養素やサプリメントも、摂りすぎには注意が必要です。
サプリメントは葉酸の配合量が1000㎍/日を超えないようにしましょう。
サプリメントの用法・用量を守っていれば、摂りすぎることはありませんが、複数のサプリメントを飲む場合などは注意しましょう。
妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかったら?後悔しているという意見も
妊娠初期に葉酸サプリを飲まなかったことで、実際に後悔しているという声もありました。
葉酸サプリを飲まなかったら必ず問題になるわけではない
葉酸サプリを飲まなかった場合でも、必ず問題になるわけではありません。
葉酸は、あくまでも神経管閉鎖異常のリスクを減らす栄養素です。
その他の原因で発症することもありますし、葉酸サプリを飲んでいても、発症する可能性もあります。
ただし、妊活中から授乳期まで、通常よりも葉酸の推奨摂取量は多いです。
特に妊活中から妊娠初期は、最も葉酸が多く必要になる時期です。
葉酸サプリを飲まなくても問題ない場合もありますが、赤ちゃんのために、必要な栄養素は積極的に摂るようにしたいですね。
飲んでおけば良かったと後悔している意見も
葉酸サプリを飲んでおらず、後になって「飲んでおけば良かった」と後悔している声もあります。
Twitterからいくつかツイートをご紹介します。
今後妊娠を考えている人は葉酸マジ大事だから妊娠する前にサプリメント摂ってね!!うちの長女、二分脊椎って病気なんだけど、葉酸をしっかり摂っていれば防げたかもしれないの! 母子手帳貰ったときに葉酸大事ですよってチラシも一緒に渡されるけど、そこからじゃ遅いから!
https://twitter.com/ssaattoommii6/status/1164339170514354176
外から失礼します。次女が二分脊椎です。生後1日目一生歩けないと宣告を受け泣き崩れました。20歳になった今危なっかしいながらなんとか歩いています。でも紙パンツは必須、知的障害もあります。当時の自分が葉酸の役割を知っていればと何度思ったことか。義務教育で教えるべき内容だと強く思います。
https://twitter.com/HpELWpEu6FuXk8y/status/1404465524122144770
今回の流産で葉酸足りて無かったかなーてのが反省であって。もちろんそれが原因とは言われてないけど。次は後悔することなく妊婦生活に立ち向かいたい。 前回は気合い入れて妊活スタートさせて、数ヶ月前からしっかり2種飲み続けてたけど、今回は1種のみ1ヶ月前から飲んでたまに忘れて…て感じだった
葉酸の必要性を知らず、出産して赤ちゃんの病気がわかって初めて知ったという声もありました。
葉酸サプリを飲んでいても、神経管閉鎖異常になる可能性は0ではありませんが、葉酸サプリを飲むことで、リスクを減らせることは明らかです。
後から「防ぐことができたかもしれない」と知るのは、想像以上に苦しいものです。
また、初期の流産は赤ちゃんの先天異常によるものが多く、葉酸不足や女性の生活だけが原因ではありませんが、実際に流産をすると自分を責めてしまう人は多いです。
毎日飲むのが面倒だったり、金銭的にサプリの購入をためらったり、つわりの時期に飲むのがつらいなどあるかもしれませんが、何かあったときに「葉酸を飲んでおけばよかった」と後悔することのないように、今からできることをしておきましょう。
まだ葉酸サプリを飲んでいない場合は?今から飲んだ方がいい?
まだ葉酸サプリを飲んでいない場合でも、今、気付いたときからの摂取をおすすめします!
妊娠初期なら積極的な摂取を
まだ妊娠初期なら、すぐにでも葉酸サプリを摂取しましょう。
妊娠初期は、特に葉酸の推奨摂取量が多い時期です。
食事からも葉酸は摂取できますが、妊娠初期はつわりで十分に食事がとれないことが多いですよね。
普段以上に食事から栄養が摂れないにも関わらず、葉酸の必要量が最も多い時期です。
サプリなら食事よりも葉酸の吸収率も高いので、積極的に葉酸サプリを摂取しましょう。
妊娠初期を過ぎている場合は他の栄養も含めバランス良く
すでに妊娠初期を過ぎている場合には、葉酸をはじめ、他の栄養素もバランス良く摂取しましょう。
葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖異常の予防だけでなく、細胞の分化に関わる大切な栄養素です。
特に妊娠後期や授乳中は、一般の女性よりも推奨摂取量が多いです。
妊娠中いつからでも体に良い影響があるので、ぜひ葉酸を摂取しましょう。
また、妊娠中期や後期には、初期に比べて鉄の推奨摂取量が増えます。
妊娠によって貧血も起こりやすい時期なので、積極的に摂るのがおすすめです。
葉酸以外に妊婦が積極的に摂取すべき栄養素は?
葉酸以外にも、妊娠中に必要な栄養素はたくさんあります。
中でも、特に大切な2つの栄養素を紹介します。
鉄分
鉄は、妊娠中期や妊娠後期に特に必要で、体や赤ちゃんへ栄養を運ぶ大切な栄養素です。
妊娠中は、血液量が1.5倍まで増え、普段より血液の濃度が薄まるため、貧血になりやすいです。
貧血になると、赤ちゃんへ栄養がうまくいきわたらず、赤ちゃんの発育が悪くなったり、妊婦さん自身がふらついて転倒することも考えられます。
時期に応じた鉄の推奨摂取量は、以下の通りです。
鉄の推奨量 | 鉄の付加量 | |
妊娠初期 | 9.0mg | +2.5mg |
妊娠中期 | 16.0mg | +9.5mg |
妊娠後期 | 16.0mg | +9.5mg |
授乳中 | 9.0mg | +2.5mg |
妊娠中、特に妊娠中期や妊娠後期は、普段の倍以上必要になるため、意識して摂取しましょう。
カルシウム
カルシウムも妊娠中に大切な栄養素で、赤ちゃんの骨や歯の材料になります。
カルシウムは、妊娠中や授乳中でも、特に付加量はなく、推奨摂取量は650mg/日で変わりません。
ただし、日本人はカルシウムが慢性的に不足しており、20代~40代の女性では摂取量が400~440mg/日しかありません。
普段から積極的に摂取したい栄養素ですが、妊娠中は赤ちゃんの成長に関わるので、特に意識して摂るようにしましょう。
引用:令和元年国民健康・栄養調査https://www.mhlw.go.jp/content/000711006.pdf
おすすめの葉酸サプリ一覧
葉酸サプリは様々な種類がありますが、特におすすめの葉酸サプリを紹介します。
①プレミン 時期別葉酸サプリ プレミンシリーズ |ゲンナイ製薬 (premin.shop)
プレミンの葉酸サプリは、時期によって最適な栄養素が配合されていることが特徴です。
妊活中から妊娠初期におすすめの「プレミン」は葉酸がしっかり配合されていて、妊娠中期以降におすすめの「プレミン14w」では葉酸の配合量が少し減り、その分鉄分が多く配合されています。
授乳期におすすめの「プレミンママ」もあり、時期に応じて適切に栄養を摂りたい人におすすめです。
➁ベルタ https://belta.co.jp/goods/folate/
ベルタは、5年連続売り上げNo.1や、数々の実績のある葉酸サプリです。
葉酸サプリでもより栄養価の高い「酵母葉酸」を含んでいます。
安全性も非常に高く、放射能検査などを実施し、原料は無添加やオーガニックにこだわっています。
一般的なサプリメントでは「賦形剤」と呼ばれるコーティングをされているものが多いですが、ベルタはカルシウムでコーティングをしています。
③ミタス https://brands.naturaltech.jp/media/mitas-series/mitas/
ミタスは妊活中から飲むのにおすすめの葉酸サプリです。
和漢植物素材という温活に良い成分が配合されていて、冷えにも有効です。
妊娠後は、「mamaru」というサプリメントがあり、葉酸だけでなく、食物繊維やラクトフェリン、乳酸菌などが含まれていて、腸内環境も整えてくれます。
産後には、母乳の栄養補給に有効なビタミンやミネラル、育児疲れに有効な和漢成分が配合された「mamaco」というサプリメントがあります。
④マカナ https://na-shop.jp/makana/
マカナも、妊活中からおすすめの葉酸サプリで、「妊活サプリ」としての評価が高いです。
葉酸以外に、栄養価の高い国産のマカが配合されているのが特徴です。
ビタミンやミネラル類も豊富なので、葉酸サプリとして飲む以外に、夫婦で妊活サプリとして飲んだり、ビタミンやミネラル類を目的に飲んだり、オールインワンに使えるサプリメントです。
まとめ
最後に、この記事のまとめです。
- 妊娠初期に葉酸サプリの摂取がすすめられているのは、神経管閉鎖異常という赤ちゃんの先天異常の予防のため
- 葉酸サプリで神経管閉鎖異常が100%予防できるわけではないが、リスクは70~80%低下する
- 神経管閉鎖異常の予防として明らかになっているのは、葉酸の摂取のみ
- 神経管閉鎖異常は妊娠に気付く頃に発症するため、特に妊活中から妊娠初期の葉酸サプリの摂取が大切
- 食事で摂れる葉酸よりもサプリで摂れる葉酸の方が効率が良い
- 葉酸サプリを飲まなくても必ず問題になるわけではないが、妊活中~授乳期は葉酸の必要量が増える時期
- 葉酸サプリを飲まなかったことが原因でなくとも、「防げたかもしれない」と後悔しているという人もいる
- 妊娠初期でまだ葉酸を摂っていない場合、今からでも積極的に葉酸サプリを摂取する
- 妊娠中期や後期の場合、葉酸を含めた栄養素をバランスよく摂取する
- 葉酸以外では、鉄分やカルシウムも妊娠中に積極的に摂りたい栄養素
妊娠中に摂取する栄養素は、あなたの体だけでなく、赤ちゃんにも関わってくる大切なものです。
この記事で、妊娠中の葉酸の大切さが少しでも伝われば幸いです!