「妊娠中に大きくなったお腹をさすったらダメって聞いたけど、本当なのかな」
「生まれてくる赤ちゃんのことを考えると、さすってあげたい気持ちになるんだけど」
そんなふうに考える人はおおいはずです。
実際に、妊娠中にお腹をさするという行為は、少し注意する必要がある場合もあります。
そこで今回は、なぜ妊娠中お腹をさすってはいけないのか、という真意を解説していきます。
お腹をさするうえでの注意点も紹介していきますので、妊娠中の方だけでなく、妊活中の方やパートナーの男性の方もぜひ参考にしてください!
妊娠中にお腹をさすってはいけないって本当?優しく触れる程度はOK
では、実際にお腹をさするという行為はよくないのでしょうか。
結論から言えば、優しく触れる程度ならかまいません。
ただ、過度な力をいれてお腹をさすったりすることはよくないです。
お腹に優しく触れる程度は問題なし
皆さんは「お腹をさする」という行為に関して、そのようなイメージを持たれているでしょうか。
一般的には、優しく触れる程度にイメージする人が多いのではないでしょうか。
そのくらいであれば、問題ありません。
むしろ、赤ちゃんとのスキンシップにもなりますので、ぜひ続けるべきではないでしょうか。
妊娠5ヶ月くらいから赤ちゃんの聴覚が発達してきます。
お腹をさすったり、赤ちゃんに話しかけることで、赤ちゃんとのコミュニケーションにつながります。
優しくお腹に触れることは赤ちゃんの成長にとっても重要なことなのです。
ただし、1回で触るのは10秒くらいにしておきましょう。
強く押すのはNG
妊娠中にお腹をさすることについて、お腹を優しく触る程度なら問題ないことはわかりました。
では、なぜ妊娠中にお腹をさすってはダメと言われているのでしょうか。
どうやら、お腹を優しく触るという行為以上の刺激を与えることがよくないようです。
つまり、「お腹の皮膚が動く」「皮膚が寄れる」「お腹がへこむように押す」ほど力をかけてさするのは避けましょう。
さする力が優しければ問題はありませんが、あまりに刺激を与えすぎると赤ちゃんにはよくないのです。
お腹をさする影響を徹底解説!強くさすりすぎるとどうなる?
では、なぜ強くお腹をさすりすぎるとよくないのでしょうか。
ここからは、妊娠中にお腹を強くさすることでどのような悪影響が出てしまうのかを徹底解説します!
子宮に悪い影響が出る
お腹を必要以上に強くさすると、子宮の収縮が起きて、お腹が張ってしまうことはあります。
あくまでも、お腹をさする行為は、膨らんだお腹の線をなぞる程度です。
手を滑らせるようにして、触る時間も10秒程度にしましょう。
不正出血や早産の原因になることも
お腹を強くさすりすぎることによって子宮が収縮してしまう、ということはすでにお話ししました。
では、子宮が収縮しお腹が張った状態になっても、さらに強い力でお腹をさする行為を続けてしまうとどうなるのでしょうか。
子宮が収縮した状態が続いてしまうと、不正出血や切迫性早産といった深刻なトラブルを招くおそれがあるのです。
また場合によっては、常位胎盤早期剥離という緊急性の高い状況が起こる可能性もありえますので注意が必要です。
お腹を圧迫するのも危険
お腹をさする以外でも、妊娠中にお腹を圧迫することも危険です。
お腹を押すようにさすることは、お腹を圧迫することになりますので、優しく触る程度にしてください。
故意に押したりする以外でも、お腹が圧迫されることは日常生活でも起こりえます。
例えば、長い時間同じ姿勢でいることでお腹が圧迫されてしまうこともあります。
立っていても座っていても、ずっと同じ姿勢でいることで、お腹が圧迫されてしまうため、定期的に体勢を変えるようにしていきましょう。
日常生活でどれだけ気を付けていたとしても、思いもよらないことでお腹に刺激を与えてしまうこともあります。
痛みや張りがひどくなって、お腹を圧迫しているかも、と感じた場合は、すぐにかかりつけの産科の先生に相談するようにしてください。
これ以上はダメ!お腹をさする限度を知らせるサインは?
お腹をさする時は、優しく触る程度にしておかなければならないということはわかりました。
ただし、優しく触っていても長時間続けると、子宮収縮の原因になってしまうかもしれません。
では、お腹をこれ以上さすらない方がよいという兆候はあるものなのでしょうか。
ここからは、お腹をさするのを止めるタイミング、サインについて解説していきます。
妊活中の方、妊娠中の方やそのパートナーはぜひ参考にしてください!
お腹が痛い
お腹を優しく触っていて、そこまで圧迫しているつもりがなくても、お腹の痛みが気になりだしたらすぐにお腹を触るのをやめておきましょう。
妊娠週数が進み、お腹が大きくなるにつれて、生理的な子宮収縮の頻度は増えてきます。
たとえ優しく触る程度でも、長時間お腹を触る行為は子宮を刺激します。
子宮収縮の回数や強さに影響を与えてしまうので注意するようにしてください。
お腹が張ったような感じがある
腹部の張ったような感じや違和感が出た場合、子宮収縮の可能性があります。
その場合は、速やかにお腹を触るのを止めてください。
楽な姿勢になるように意識し、座るか横になるようにしましょう。
しばらくして落ち着いてくるようなら 問題ありませんが、1〜2時間ほどしてもよくならない場合は、かかりつけ医に連絡をして受診するようにしてください。
では、お腹が張るという感じはどのようなものがあるでしょうか。
お腹が張るという感覚は、人によって違いがあります。
普段お腹が張っていない時は、痛みや違和感などなく。触ってもやわらかい状態です。
しかし、お腹が張ってくると、硬く感じるようになります。
「お腹が硬い感じになる」「キューッとなって、キリキリ痛むような感じ」「生理痛のような鈍い痛みが続く」など、感じ方は人それぞれのようです。
症状が重くなると、息苦しさや激しい痛みにつながることもあります。
いつもとなんとなく違う感じがあれば、もしかしたらお腹が張っているかもしれません。
では、お腹が張りやすい人の特徴はあるのでしょうか。
お腹をさする以外でも、お腹が張ることはあります。
以下の特徴に当てはまる人は、お腹が張りやすいので特に注意しておいてください。
ストレスをためている人や、疲れが溜まっている人はお腹が張りやすくなるといわれています。
そのため、仕事が忙しすぎたり、兄弟がいて育児に大変になったりという場合は疲れやストレスの原因になりますので、うまくリラックスしたり、休息する時間が必要になるのではないでしょうか。
また、生活習慣にも注意する必要があります。
妊娠中は黄体ホルモンの影響で腸の運動能力が低下するため、便秘になりやすくなります。
便が溜まっているとお腹も張りやすくなるのです。
便秘によるお腹の張りを防ぐために、水分や食物繊維を多めに摂取し、規則正しい生活にしましょう。
どうしても便秘が改善しないようであれば、かかりつけの産科医から、酸化マグネシウムなどの非刺激性の便秘薬(ゆるやかに排便を促す薬)を処方してもらうことも検討してください。
お腹をさする以外にもある!妊娠中に注意すべきこと10選
ここまでは、お腹をさすりすぎたり、強い力でさすることを控えるべき、という話をしてきました。
また、お腹が張る原因についても解説してきました。
では、妊娠中に注意すべきことは他にどんなことがあるのでしょうか。
ここからは、妊娠中に注意しなければならないことや、意識しておきたいことを紹介していきます。
妊活中の方、妊娠中の方やそのパートナーはぜひ参考にしてください!
お腹を締め付ける服を着ない
妊娠中はお腹を圧迫しないように、ということはすでに述べました。
衣服に関しても考慮しておく必要があります。
タイトな服や締め付けのきつい服装はお腹を圧迫してしまう可能性が高いです。
ゆったり着ることのできる服装を意識するようにしてください。
妊娠中の服選びに迷ったときは、まずはワンピースやチュニックを選んでみてはいかがでしょうか。
お腹周りにゆとりのあるデザインであれば、お腹が大きくなる後期、そして産後まで長く着ることができます。
ボトムにはマタニティ用のレギンスやタイツ、やや細身のパンツなどを合わせると良いでしょう。
冷えを防げるうえに、メリハリが生まれておしゃれに見えるのではないでしょうか。
また、最近は、さまざまな形のマタニティパンツが登場しています。
例えば、テーパードタイプは脚がスマートに見えるため、マニッシュなスタイルを楽しみたい方やワンピースに飽きた方におすすめです。
マタニティウェアは比較的シンプルなデザインが多いため、飽きてしまったり、トレンド感が出せないこともあるのではないでしょうか。
そんなときは、靴や小物で工夫してみるとよいです。
たとえばトレンドデザインのスニーカーをプラスすれば、おしゃれかつ抜け感がアップします。
また、スニーカーは安定した履き心地なので、妊娠中の足元も安心ではないでしょうか。
流行りの色や形のバッグ、目を引くアクセサリーを投入するのもいいでしょう。
いずれにせよ、どの服を選ぶにしても、できるだけ試着するようにしてください。
お腹周りにしっかり伸縮性があるかどうか、自分の体型や好みにあっているかをきちんと確認しましょう。
妊娠中は楽に着ることができ、かつ体を冷やさない服装がマストです。
そのため、ワンパターンで飽きやすいともいえますが、工夫すればおしゃれを楽しむことができます。
ゆとりのある服を選びながらも、メリハリのあるコーデやトレンド感のある小物を取り入れることで、オリジナリティあふれるマタニティファッションを満喫しましょう。
お腹を締め付ける体勢をとらない
お腹を締め付けるような体勢も、お腹を圧迫してしまうことになるので危険です。
例えば、立ちっぱなしの立位は、お腹の張りを促し流産につながる可能性があります。
また、前かがみになる前屈位もお腹を圧迫してしまうため、避けた方が無難です。
寝るときは、シムス位(左側臥位)で寝ると、お腹を圧迫せず、腰に負担をかけにくくなります。
このように、普段からお腹を圧迫しない姿勢を意識して過ごすことが大切なのです。
カフェインを摂り過ぎない
妊娠中は食生活にも気を付けなければなりません。
では、食生活でどのような事に気を付けるべきでしょうか。
まずできる限り摂取を控えたいのが、カフェインです。
コーヒー、紅茶、緑茶などに含まれるカフェインは、ママが摂取すると胎盤を通過して胎児にも届きます。
カフェインが胎児に与える影響について、詳しいことはまだよくわかっていません。
しかし妊婦中の大量のカフェイン摂取は、不眠や頭痛の他、貧血を促したり、低出生体重児の原因となる可能性が指摘されています。
そもそも、カフェインには神経を高ぶらせる興奮作用があります。
カフェインの過剰摂取により中枢神経系と末梢神経系が刺激されると、不眠や動悸、血圧上昇などが引き起こされます。
また、神経系だけでなく消化器官への刺激により吐き気や嘔吐、下痢症状などの原因にもなりえます。
さらに、カフェインは体内の水分吸収を阻害し、利尿作用があります。
妊婦さんは水分を通常時よりも多く必要とされてます。
カフェインは極力摂取せず、麦茶などのノンカフェインのお茶やミネラルウォーターで水分補給を行うようにしておきましょう。
健康な成人であれば、コーヒーや紅茶、緑茶などの摂取後、すみやかにカフェインが体内に吸収されます。
体内吸収後、カフェインは血流とともに脳関門・胎盤関門・乳腺関門を通過していきます。
個人差はありますが、最高血中濃度の到達時間は約30〜120分ほどで、その後は約2〜8時間かけて代謝・排出されるといわれています。
しかし、妊娠中の場合、カフェインが体内にとどまる時間は約6〜16時間になるといった研究結果報告もあることから注意が必要です。
コーヒーは1日あたり1〜2杯であれば問題ないといわれていますが、大量のカフェイン摂取は控えましょう。
アルコールを控える
妊娠中はカフェイン以上に気を付けておきたいのが、アルコールです。
ママが飲酒すると、アルコールは胃腸から吸収されて血液に入り、胎児まで到達します。
運ばれたアルコールは、胎児の肝臓で代謝されるのですが、もちろん胎児の肝臓はまだまだ未熟で、うまく代謝できるはずもありません。
妊娠中期や妊娠後期のアルコール摂取量と早産リスクには、相関性があります。
つまり、飲酒量が増えれば増えるほど早産リスクが上昇するのです。
時期が早ければ早産ではなく流産となります。
また、分娩異常の原因となるため、妊娠中の飲酒は絶対に避けなければなりません。
妊娠中の飲酒は、早産や流産の危険性を高めるだけではなく、胎児自身にも悪影響を及ぼしてしまいます。
胎児性アルコール症候群(Fetal Alcohol Syndrome:FAS)とは、赤ちゃんが子宮内でアルコールに暴露することにより身体面や認知面でさまざまな異常を示す疾患です。
この疾患では、特徴的な顔面、身体発育の遅れ、中枢神経の問題といった症状が見られます。
平らな顔をしており頭が小さく、薄い上唇や不明瞭な人中など容貌が見られることが特徴です。
また、成長していくにつれて発達障害や行動障害、学習障害などが見られることもあります。
以前は容貌や低体重のみが重要視されていましたが、最近では学習障害が出やすい面も注目されるようになりました。
胎児性アルコール症候群では、ADHD(注意欠陥・多動症)やうつ病、依存症などのリスクが上がることがわかってきたのです。
もちろん、妊娠中に母親が飲酒をしなければ、赤ちゃんが胎児性アルコール症候群になることはありません。
このように、妊娠中の飲酒は多くの障害を引き起こし、産まれてくる赤ちゃんにも大きな障害となってしまう可能性があります。
少し位の飲酒であれば大丈夫という研究結果も報告されていますが、全く胎児に影響が出ないのかどうかまではわかっていません。
なによりも、妊娠中に飲酒さえしなければ、胎児性アルコール症候群は起こりません。
妊娠中は禁酒を徹底するべきではないでしょうか。
タバコを控える
妊娠中に限らず、タバコは健康へ多大な影響があるのは多くの人に知られているのではないでしょうか。
タバコにはニコチンやタール、一酸化炭素といった有害物質、発がん性物質が多く含まれています。
では、妊娠中は特にタバコを控えなければいけないのはなぜなのでしょうか。
喫煙は、タバコに含まれるニコチンの影響で血管を収縮させてしまい、色々な悪影響を引き起こします。
妊娠中に喫煙することで、早産や流産、死産、前置胎盤。常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群などの症状を誘発してしまうのです。
妊娠していなくてもタバコは体へ大きな影響がありますが、妊娠中は特に赤ちゃんへの影響が大きいということを知っておいてください。
低出生体重児、胎児発育不全、胎児奇形などの危険性が高まります。
特に喫煙本数が多ければ多いほど赤ちゃんへの影響は大きく、赤ちゃんの体重が100g〜300gほど少なくなると言われています。
妊娠中の喫煙は、血管収縮により血流が悪くなることや、タバコに含まれる一酸化炭素によって赤ちゃんへの酸素や栄養の供給が阻害されてしまうため、低体重や発育不全につながると考えられています。
また、口唇裂や口蓋裂、先天性心疾患といった特定の胎児奇形への影響は大きいです。
特に高齢初産の場合は年齢による胎児奇形のリスクも高いため、喫煙しているとより奇形のリスクが高まるでしょう。
タバコに含まれる有害物質はニコチンや一酸化炭素以外にも多数ありますが、長期的な赤ちゃんへの影響は明らかになっていないため、妊娠したらタバコは絶対にやめるべきです。
パートナーが喫煙者である場合も注意が必要です。
副流煙でも同様のリスクがあると考えてください。
妊娠がわかったら、パートナーも生まれる家族のために禁煙にチャレンジするようにした方がよいのではないでしょうか。
セックスは注意しながら行う
妊娠中のセックスも注意が必要です。
特に母体が不安定な妊娠初期は、刺激による子宮収縮も起こりやすいと考えられるので、控えておくべきです。
妊娠中期以降であれば問題ありませんが、子宮収縮がなく、切迫流産・早産に兆候がないことを確認してから行うようにしてください。
また、精液には子宮収縮を促す成分が入っているので注意が必要です。
感染予防の観点からも、必ずコンドームを使用するようにしてください。
もし切迫流早産の兆候がある人は、挿入を伴うセックスはやめておきましょう。
また、妊娠中はママのお腹を圧迫しないような、苦しくならない体位でのセックスをこころがけましょう。
たとえば、パパが足を伸ばして座った上にママが腰かけて後ろから挿入する背面座位や、パパもママも横向きになり挿入する体位(対面側位もしくは背面側位)、さらに四つん這いになったママの後ろから挿入する体位(いわゆるバック)などです。
どのような体位のセックスであっても、お腹に負担をかけず、浅い挿入となるよう工夫することが大切です。
過度なダイエットは控える
近年では、妊婦さんにもダイエット志向が高まっています。
しかし妊娠中の過度なダイエットは、胎児の発育に影響し、赤ちゃんが大人になった時に生活習慣病にかかりやすくなることもわかっています。
妊娠中は適正な体重増加を守り、過度なダイエットはやめましょう。
妊娠中の適正な体重増加量は、妊娠前のBMIから知ることができます。 (BMI=体重(㎏)を身長(m)の2乗で割った数)
<適正な体重増加量>
BMI 18.5未満 | 12~15㎏ |
BMI 18.5〜25.0未満 | 10~13㎏ |
BMI 25.0~30.0未満 | 7~10㎏ |
BMI 30.0~ | 5㎏までを上限に個別対応 |
このように、妊娠中は赤ちゃんが成長するためにも自然な体重増加は必要なことです。
そのため、妊娠中のダイエットは、「体重を減らす」という意味ではありません。
体重を増やしすぎないように調整すること、これが妊娠中の正しいダイエットです。
重要なのは、増えてしまう食欲を上手にコントロールすることであり、そのためにできる工夫をダイエットと捉えるようにしてください。
まず第一に、よく噛んで食べることを心がけましょう。
噛むことで満腹中枢が刺激され、満足感を高めることができるのです。
よく噛めるような、歯ごたえのある食べ物、硬い食べ物を選ぶのも効果的ではないでしょうか。
また、冷たくのどごしの良いものよりも、温かいものの方が満足感を得やすいのです。
妊娠中の体を冷やさないようにするためにも、温かいスープやお茶を飲むようにしておきましょう。
たんぱく質を多く含んだ食品は、腹持ちが良いことが分かっています。
糖質や脂質はとりすぎると、肥満の原因になってしまうので、たんぱく質をしっかり摂取することをこころがけましょう。
ストレスを溜めない
妊娠中にはさまざまな要因でストレスを感じやすくなります。
妊娠にともなう体調や体型の変化は大きなストレスの原因です。
つわりや肌荒れ、腰痛、便秘、むくみなどの体調の変化だけでなく、体重増加やお腹が大きくなる、妊娠線が出現するなどの体型の変化もストレスになります。
特に妊娠中の体重管理は、難しいと感じることもあるのではないでしょうか。
妊娠すると妻は母親に、夫は父親になるための役割の変化が求められます。
また実両親や義両親などに妊娠・出産を報告し、産後の生活について考えなければならないなど、親戚との関係も変化していきます。
これらの変化や気を使わなければならないことを、多くのママはストレスに感じてしまうのです。
また、上のお子さんがいる場合には妊娠をきっかけに赤ちゃん返りをしてしまうこともストレスの要因になります。
その期間や程度は人それぞれではありますが、言うことを聞かなくなったり大泣きしたりなど、いつもより子育てに手がかかるようになりがちです。
子供を育てるためにはお金がかかります。
出産前の準備にもお金が必要です。
共働きの場合にはママが産休・育休を取得するのか、退職するのかで将来設計は大きく変わりますし、いずれにせよフルで働けていたころと比べると世帯収入は減少します。
出産・育児にかかる費用を考えると、心配になってしまうのではないでしょうか。
妊娠中、通勤や仕事は今まで以上に精神的にも身体的にもストレスがかかります。
また妊娠中の業務内容の調整や、休職明けの時期や働き方などを考えるのもストレスに感じることも少なくありません。
このように、妊娠し出産することは様々なストレスの要因になるのではないでしょうか。
また、妊娠中はホルモンバランスが崩れることで、自律神経も乱れがちになります。
このことも、ストレスを増幅させる要因となるのではないでしょうか。
ママがストレスを感じすぎることにより、交感神経優位となり血管が収縮し、血圧が上昇します。
この状態が続くことで、胎児の発育遅れなどの障害が引き起こされる可能性があります。
では、どのようにしてストレスを解消すべきでしょうか。
日光に当たると、心を安定させる効果が期待できるセロトニンの分泌が活発になります。
体調が安定していれば、外出して散歩などの軽い運動もおすすめです。
外出が不安であれば、部屋の中で足踏みをするだけでもストレス解消効果が期待できるのではないでしょうか。
大きな声を出したり歌ったりして、モヤモヤした感情を吐き出すのもストレス発散効果が期待できるでしょう。
具体的には、いまの感情を声に出す、好きな歌を唄うなどがおすすめです。
泣ける映画など、他人のできごとや感情で泣くのは大きなエネルギーを消耗し、感情を吐き出すことでストレス発散効果が期待できます。
また、自分の感情や悩みについて泣くわけではないため、感情を引きずることもなく泣いたあとのスッキリ感も大きいのではないでしょうか。
睡眠もストレス解消には効果的です。
睡眠には体調の回復だけでなく、脳を休ませ自律神経の働きを整える効果が期待できます。
妊娠中はつわりや胎動、大きくなったお腹の影響でまとまった睡眠が取れないことも少なくありません。
夜間にまとまった睡眠がとれない場合は、日中横になって身体を休めるなどして、少しでも睡眠を取るようにしてください。
ここまで色々なストレス解消法を紹介してきました。
それでもつらい気持ちが解消されない場合は、かかりつけの先生に相談してみてください。
早めに相談することで、赤ちゃんへの影響も最小限にできるのではないでしょうか。
便秘にならないよう対策をとる
便秘になると、お腹の張りにつながる場合もあります。
水分をこまめにとる、食物繊維を積極的にとるなどして、便秘にならないようにしましょう。
適度な運動も便秘改善につながります。
それでも、便秘が解消されない場合は、かかりつけの産科医に相談してみましょう。
妊娠中でも安心して服用できる医薬品を処方してくれるはずです。
体を冷やさない
妊娠中に無理をしたり、体が冷えてしまうと、お腹が張りやすくなります。
妊娠中は冷たいものをとりすぎないようにしましょう。
飲み物も常温のものにしたり、温かいものをとるようにしてください。
まとめ
今回の記事では、妊娠中にお腹をさすってはいけないのは本当なのか、ということを考察しました。
優しく触るくらいなら、赤ちゃんとのスキンシップになりますので行うべきです。
ただし、強い力を加えてお腹を圧迫しないようにしましょう。
もし、お腹が張ったり、痛みを感じるようならすぐにやめて安静にしてください。
お腹をさすりすぎるだけでなく、妊娠中は他にも注意したいことはたくさんあります。
禁酒禁煙は徹底するようにし、妊娠中は無理せずストレスをため込まないようにしましょう。
心身に異常を感じるようなら、周りの家族に相談し、できるだけ早くかかりつけの医師に相談するようにしてください!